SPORTS
発展し続けるスポーツ業界で、
スポーツトレーナーの道を選び、
第一線で活躍する卒業生たち。
好きなことを仕事にした彼らが語る、
トレーナーという職業のやりがいや魅力とは?
支え、励まし、
喜びを分かち合える仕事
藤村先生
東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、日本中でスポーツが大きく注目されました。本日は今後どんどん注目されていくスポーツ業界で、現在トレーナーとして活躍する卒業生たちに集まってもらい、仕事内容と魅力を語っていただきます。まず、みなさんはどのようなお仕事をされていますか?
氏家
現在、フィットネススタジオのパーソナルトレーナーとして運動の指導をしています。ダイエットや運動機能改善など健康を維持したい一般の方から、高校生の部活動指導、プロのスポーツ選手のケアと、幅広い年齢の方に指導ができることに魅力を感じています。スポーツ選手へは、特に細かなヒアリングが必要で、身体の状態、痛みの箇所、競技での悩みなど、様々な情報を基にトレーニング内容を考案しています。
藤村先生
選手の場合、かなり細かな情報を収集されるんですね。選手というと宇佐美さんはチームの専属トレーナーですよね。
宇佐美
はい。現在、社会人3年目となり、プロのバレーボールチームの専属トレーナーとして、選手の健康管理やリハビリなどのサポートをしています。ケガをした選手に対しては、医師、監督、トレーナーなど専門分野の方々と連携を取りながらケアをするのですが、わからないことは必ず専門の方にうかがい、ベストな選択ができるように心掛けています。
藤村先生
チームの中で自分の役割を理解することは、非常に大切ですよね。そして、社会人3年目といえば、河野さんも同じですね。
河野
私も、今年で3年目になります。入社以来、スポーツジムのパーソナルトレーナーとして、お客様のトレーニングを指導しています。仕事と並行して、学生の頃から始めたビキニフィットネスの競技にも打ち込んでいます。競技をしていることは仕事でも活かされていて、雑誌の表紙を飾った時に「これ私です」とお客様に見せたら驚かれました(笑)。自分の身体を鍛えていると、お客様が私を見る目線もどんどん変わっていくと感じています。ビキニフィットネスを知らない方も多いので、広めていけたらいいなと思います。
藤村先生
競技がお客様とのコミュニケーションにもつながっている点がおもしろいですね。それでは次に、𠮷田さんにもうかがいます。
𠮷田
私はコンディショニングコーチとして、身体のケアやトレーニング指導をしています。一般の方には、日ごろの体調管理、スポーツ選手にはケガの予防などを指導しています。身体の調子を整えたい方から、運動のパフォーマンスを上げたい方まで、その人の目的に合わせて関わっています。
藤村先生
ケガを予防する「コンディショニング」という分野に進んだきっかけは何ですか?
𠮷田
入学当初は、トレーナーになるための勉強や実習に取り組んでいたのですが、ケガを根本的に解決し、ケガ予防にもつながる「コンディショニング」という分野を知って「これだ!」と思いました。
藤村先生
コンディショニングとの出合いが、現在の𠮷田さんにつながっているというわけですね。
自分が必要とされることが
トレーナーのやりがい
氏家
僕自身、トレーナーの仕事を続ける上で、「人に寄り添うこと」を大切にしてきました。みなさんは普段から心掛けていることはありますか?
宇佐美
私も氏家さんと同じで、選手の気持ちに寄り添うことを心掛けています。選手の悩みを聞き、メンタルサポートをすることも、私の大事な仕事だと思っています。
河野
私も競技選手なので、フィジカル面も、メンタル面もサポートしてくれるトレーナーの存在って本当に大事だと感じています。宇佐美さん、選手全員とコミュニケーションとるって大変じゃないですか?
宇佐美
そうでもないですよ。ご飯を食べている時に、悩みや不安をポロっと打ち明けてくれる感じです。無理に聞くと話しづらいと思うので、そこは自然に任せています。
𠮷田
日々の生活の中にトレーナーが常にいてくれるって、選手にとって最高の環境ですよ。みなさんの話を聞いて、トレーナーはその人の生活に大きく関わる、縁の下の力持ち的存在だなと思います。
氏家
同感です。以前担当したお客様の中に、脳梗塞が原因で歩行が困難な方がいて、機能を回復するリハビリを考案し、一緒に取り組みました。3年後には歩けるようになるまで回復され、お客様の笑顔が戻った時の達成感は格別でした!
河野
分かります!私も足の靭帯を痛め、歩行が難しくなったお客様のトレーニング指導を行ったことがありました。歩けるようになった時は、自分のことみたいに嬉しかったです。そのお客様とは、身体の悩みだけじゃなくて、私生活のことも話していたので、信頼してくれたのかなと思います。
氏家
お客様との信頼関係ができると、良いトレーニング指導ができますよね。𠮷田さんも、いろんなお客様に接してきたと思いますが、そのあたりの経験を教えてください。
𠮷田
印象に残っているのは、趣味でトレイルランニングに打ち込んでいるお客様をサポートしたことです。その方は、腰痛や股関節の痛みを改善することが来店の目的でした。でも、症状が改善すると、もっと高度なトレーニングに挑戦され、今でもスコアを伸ばしています。「どんなに練習しても痛くならない」と感謝の言葉をかけていただいた時は、トレーナー冥利につきる瞬間でしたね。
氏家
そうですね!人に寄り添った指導をすることは、トレーナー業務の中で一番大事なことだと思います。
知識、技術、人間性を磨き
信頼されるトレーナーに
藤村先生
最後の質問になりますが、医健で学んだことを最大限に生かし、プロとして日々成長しているみなさんの今後の目標を教えてください。
氏家
私自身、マネージャーという責任ある立場にあり、ほかのスタッフの手本になるよう、より一層の知識、スキル、経験を積む必要があると思っています。今後はトレーナーの仕事にもテクノロジーの導入が必要だと感じているので、様々な分野の人とのつながりを作っていきたいですね。将来的には、スポーツトレーニングの分野で地元に貢献していくことを視野にいれています。
宇佐美
試合を観に来てくださった観客にも、「あのトレーナー、いいね!」と思ってもらえるように元気で、明るいトレーナーをめざしたいと思います。そしてこの魅力ある仕事をたくさんの人に知ってもらいたいです。
河野
まず、トレーナーとしての目標は、「河野にお願いしてよかった」とお客様に信頼してもらえるために、知識を増やすことです。選手としての目標は、日本一をめざすことですね。私にとっては、両方大事だから、どちらも全力で取り組んでいきたいです。
𠮷田
社会人になって様々な経験を積み、自分一人の力や知識だけでは解決できないこともあると痛感しました。今は、いろんな分野の専門家と連携を取りながら、お客様のために必要なことは何かを考え、行動していきたいと思っています。
藤村先生
現場の第一線で活躍するみなさんの仕事に対する姿勢は大変頼もしく、言葉の端々にポジティブなメッセージが込められていると感じました。指導者としても、学生たちがスポーツ業界で仕事ができるよう、トレーナーやマネジメントなどの知識、人と人との絆を大事にできる人間性を育てていきたいと思います。本日はありがとうございました。