スポーツを通じて新たな価値を生み出す仕事をスポーツビジネスと言います。
本記事ではスポーツビジネスの将来性と、市場の急成長が見込まれる理由についてご紹介していきます。
スポーツビジネス市場の急成長が見込まれる理由
- 観戦スタイルの多様化が進んだ
スポーツビジネス市場が急成長を遂げている代表的な理由の一つに、観戦スタイルの多様化が挙げられます。
新型コロナの流行を経て、スタジアムでの観戦に限らず、自宅でテレビやライブストリーミングなどを通じてさまざまな形でスポーツを楽しむ人が増えました。
これにより、誰でも簡単にスポーツイベントにアクセスできるようになり、視聴者の幅も広がりを見せるようになりました。
またソーシャルメディアや専用アプリを用いて、リアルタイムで情報共有を行ったり、ファン同士で交流したりすることも増えてきました。
このような新しい観戦スタイルが、スポーツビジネス市場の成長を後押ししているのです。
- 国がスポーツ業界におけるIT活用を推進している
国がスポーツ業界でのIT活用を推進していることもスポーツビジネス市場の急成長が見込まれる理由の一つです。
政府はスポーツのデジタル化を積極的にサポートしており、さまざまなテクノロジーが導入されてきています。
スポーツ選手のパフォーマンスを分析するためビッグデータやAIが活用されたり、観客のスポーツ体験を向上させるためAR・VR技術が活用されたりといった例があります。
これによりスポーツトレーニングやスポーツ観戦の新しい形が誕生し、ファンだけでなくアスリートの満足度も向上しています。
さらにはITの活用によってオンライン上でのチケット・グッズ販売もスムーズに行えるようになり、収益増加にも貢献しています。
- 健康・医療分野との親和性が高い
スポーツビジネスの市場を考える際、健康・医療分野との親和性が高い点も見逃せないポイントです。
スポーツはプロによる興業ばかりではありません。
ジョギングやストレッチなど、日頃の軽い運動もスポーツと捉えれば、その市場はかなり大きいと言えます。
たとえば、スポーツイベントやフィットネスイベントなどを開催し、地域住民の運動不足や生活習慣病を改善しつつ、ビジネスに活かしている事例はいくつもあります。
また、最近ではゲームに街探索の要素を取り入れ、実際にその場所に訪れることでゲームが進行するアプリなども登場しています。
スポーツを通じて健康的な生活習慣が広まれば、病気の予防や医療費の削減にも大きな効果が期待できるでしょう。
- eスポーツが盛り上がっている
近年急激に人気を集めているのが、プロのゲーマーが競い合う競技「eスポーツ」です。
大規模なトーナメントも毎年開催され、賞金総額も年々増加しており、観戦者数も増加傾向にあります。
この動きに伴い、スポンサー企業・メディアからの関心も高まり、広告収入・放映権の販売などで大きな利益が生まれています。
さらにeスポーツ関連のグッズ販売やゲーム開発会社の収益増加に関しても、市場成長を後押ししています。
eスポーツファンは若年層を中心に増えてきており、今後も拡大が期待されている市場なのです。
スポーツビジネス業界に求められる人材の特徴
- 経営者の目線で物事を考えられる
スポーツビジネス業界には、経営者の目線で物事を考えられる人材が必要とされています。
具体的には「スポーツビジネスの市場動向を把握していて、ビジネスチャンスを発見できる力がある人材」が求められています。
日本のスポーツ業界は、世界と比較して経営人材が不足していると言われます。
スポーツを「興業」だけでなく「ビジネス」として捉える土壌が育っていないためです。
戦略的な思考力やデータの収集・分析力、マーケティング戦略の立案・実行力など、総合的な能力を持つ人材が待望されています。
- テクノロジーに対する抵抗がない
スポーツビジネスに携わる人材には、急激に進化しているデジタル技術・データ分析などのテクノロジーを上手く活用し、ファンの満足度やモチベーションを向上させたり、新しい収益の形を開発したりする能力も求められます。
たとえば、VR・ARを使った新しいスポーツ観戦体験を提供することや、ソーシャルメディアを駆使してマーケティング戦略を実施することなどが挙げられます。
スポーツに限らず、テクノロジーに関しても柔軟かつ前向きな姿勢を持っている人材は、スポーツビジネスの成長に貢献することができるでしょう。
- ホスピタリティがある
スポーツビジネス人材にはホスピタリティも必要です。
ファンや顧客に向けて常にサービス精神を持ち、細やかな気配りや丁寧な対応が行える能力は非常に重要です。
イベント運営・チケット販売・ファンクラブ管理など、さまざまな場面でファンや顧客に満足してもらうための「心配り」が必要とされます。
ホスピタリティを持つことでファンの信頼や支持を獲得し、スポーツビジネスの発展にも貢献できる人材となることでしょう。
- マネジメント力がある
スポーツビジネス業界で活躍するには、マネジメント力も求められます。
スポーツチームやスポーツプロジェクトを適切に運営して、目標達成に向けてどのような人物をどの場所に配置し、役割を与えるかの能力が問われます。
たとえば大規模イベントの企画・運営、スタッフ指導、スポンサーシップ管理など、さまざまな場面でマネジメント力を活かしてリーダーシップを発揮しなければなりません。
マネジメント力のある人材は組織の成果を最大化できるため、スポーツビジネスの成功には欠かせない存在となるでしょう。
スポーツビジネス関連の主な資格
- 認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト（NSCA-CSCS®）
アメリカに本部がある国際的な教育団体「NSCA（National Strength and Conditioning Association）」が認定している民間資格であり、世界共通の資格です。
NSCA-CSCS®は一般人に限らず、アスリートへの指導も視野に入れており、運動生理学やトレーニング方法などより専門的な知識・スキルが必要となる資格です。
- NSCA認定パーソナルトレーナー（NSCA-CPT®）
同じく「NSCA（National Strength and Conditioning Association）」が認定している民間資格ですが、こちらの資格では主に個人のフィットネスの目標達成をサポートします。
トレーニングしたい一般人を対象としたパーソナルトレーナーの育成を目的にしており、運動生理学・栄養学・プログラムデザインなどの知識が求められます。
- 中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営サポートを行う専門資格です。
経済産業省が認定しており、経営戦略・財務管理・人事管理・マーケティングなどさまざまな知識が求められます。
試験に合格し、実務補修を修了することで、中小企業のコンサルティングや経営診断が行えるようになります。
- スポーツイベント検定
スポーツイベント検定は、スポーツイベントの企画・運営に必要となる知識を証明するための資格です。
試験では、イベントの企画立案・運営管理・マーケティング・リスク管理といった分野が問われます。
資格を取得することでスポーツイベント業界での信頼性が高まり、イベントの成功に貢献できるスキルを持っていることが証明されます。
おわりに
本記事ではスポーツビジネスの将来性と、市場の急成長が見込まれる理由についてご紹介しました。
仙台医健・スポーツ専門学校では、「スポーツマネジメントテクノロジー科」を設けています。
スポーツ業界で活躍するためにはスポーツに関する知識だけでなく、テクノロジーの活用や、スポーツビジネスを動かすマネジメント力を身につけなければなりません。
専門学校に通い、スポーツビジネスでの必要なスキル・知識をバランス良く学ぶことをおすすめします。
https://www.sendai-iken.ac.jp/course/sports/sports-tech/
