理学療法士になろうと思うきっかけには、さまざまな経験や思いがあります。
本記事では、実際に理学療法士の方がこの職種を目指したきっかけと、数ある医療系資格の中で理学療法士を選んだ理由についてご紹介します。
理学療法士になろうと思ったきっかけ
以下に、理学療法士になろうと思った代表的なきっかけを挙げてみましょう。
- ケガをしたときに支えてもらった
理学療法士を目指すきっかけとして、自分がケガをした経験が挙げられます。
スポーツや日常生活における事故で負傷した際、理学療法士に支えられて回復した経験は、多くの人にとって強いインパクトを与えます。
自分が苦しいときに寄り添い、適切なリハビリを提供してくれた理学療法士の姿に感動して、「自分も同じように人を助けたい」と思うようになりやすいと言います。
このような経験は理学療法士という職業に対する動機づけとなり、患者さんを支える立場に立ちたいという思いを芽生えさせます。
- 家族に障がいを持った方がいる
家族に障がいを持った方がいるという場合、その支援や介護を通じて、理学療法士という職業に自然と関心を持つこともあるでしょう。
障がいを持つ家族を支える過程で、リハビリや日常生活の改善に理学療法士が大きく関わっていることを実感し、自分のその助けになりたいと考えるようになります。
家族の苦労・喜びを間近で見てきたことによって、理学療法士としての仕事の意義を理解し、その道を選ぶことを決意したという方もいます。
- 家族に医療従事者がいる
家族に医療従事者がいる環境で育った場合、自然と医療の世界に興味を持つことが多いです。
医師・看護師・理学療法士など医療に携わる家族の働く姿を見て、やりがいを感じることもあります。
家庭内で医療に関する話題が頻繁に出ることも、医療職を身近に感じられる要因となることがあります。
家族が患者さんを助ける姿に憧れ、自分のその道に進みたいと思うようになる方も多いものです。
- 国家資格で安定して働けると思ったから
理学療法士は国家資格であり、安定した職業としての魅力も大きいです。
高齢化が進む現代において、医療職は社会的に需要が高く、理学療法士の役割はますます重要視されてきています。
安定した職業に就きたい・社会に貢献できる仕事をしたいという思いから、理学療法士を志す人も多いです。
医療分野でキャリアを築くことにより、長期的に安定した生活を送りつつ、他者の役に立てることが大きなモチベーションになるでしょう。
これらの理由が重なり合い、理学療法士を目指す人々は、それぞれの背景や思いを持ってこの職業を選んでいます。
作業療法士ではなく理学療法士を目指した理由
理学療法士と作業療法士はどちらもリハビリの専門職ですが、その役割や対象領域には違いがあります。
作業療法士は日常生活や仕事に戻るためのサポートを行い、患者さんの生活の質を向上させることに重点を置いています。
一方、理学療法士は、主に運動機能の回復や向上を目指し、身体の筋力・柔軟性・バランス改善などをサポートします。
- 健康維持や予防にも関わりたいと思ったから
作業療法士ではなく理学療法士を選んだ理由の一つとして、「健康維持や予防にも関わりたい」という思いを持つ方もいます。
理学療法士は患者さんが再発しないよう、予防的なリハビリを提供したり、健康維持をサポートしたりといったことを行います。
このように治療に限らず、予防という側面にも携われる点に魅力を感じる方も多いです。
- スポーツリハビリの分野で活躍できるから
理学療法士はスポーツリハビリの分野で活躍できる機会も多いです。
多くのプロスポーツチームやフィットネスクラブで理学療法士が活躍しており、スポーツ選手のパフォーマンス向上やケガの復帰をサポートしています。
スポーツへの関心が強い人にとって、この分野でのキャリアを築ける理学療法士の道は非常に魅力的と言えるでしょう。
看護師ではなく理学療法士を目指した理由
看護師と理学療法士は、どちらも患者さんの健康を支える重要な役割を担っています。
しかしその役割やアプローチには違いがあります。
看護師は患者さんの全体ケアや日常生活のサポート、病気やケガの予防、治療の進行管理などに重点を置きます。
一方、理学療法士は運動機能の回復・改善を専門としており、リハビリを通じて患者さんの運動能力を向上させることに専念しています。
- リハビリ治療を通じて患者さんを支えたいから
理学療法士を目指した理由の一つは、リハビリを通じて患者さんを直接支えられる点が挙げられます。
リハビリ治療に携わることで患者さんが自分の身体の正しい使い方を学び、より良い生活を送れるようにサポートできるという点は大きな魅力と言えるでしょう。
回復過程で患者さんの変化を間近で見守ることができることは、非常にやりがいを感じる瞬間です。
- 規則正しい勤務形態で働きたいから
理学療法士の勤務形態は、比較的規則正しい時間帯での勤務が多いです。
病院・クリニック・リハビリセンターでの勤務はシフト勤務や夜勤が少ないため、安定した生活リズムを維持しやすいという点も理学療法士を選ぶ理由として挙げられることが多いです。
規則正しい勤務は、仕事・プライベートのバランスを保つ上で重要な要素だと言えます。
- スポーツに関わりたいから
もう一つの理由としては、スポーツ分野に関わる機会が豊富であることです。
理学療法士は、多くのプロスポーツチームやフィットネスクラブで活躍しています。
スポーツ選手のリハビリやパフォーマンス向上のサポートを行えるため、スポーツへの情熱が強い人にとって、理学療法士として働くことは、好きな分野でのキャリアを築くチャンスなのです。
理学療法士のキャリアアップ
- 認定理学療法士
認定理学療法士は、特定の領域で高度な専門知識と技術を持つことが認められた理学療法士の資格です。
たとえば脳卒中やスポーツリハビリテーションなどの領域に特化しており、一定の実務経験と学習を積んだ後に取得できます。
この資格は日本理学療法士協会などの関連団体によって認定されており、専門分野におけるスキル・知識の証明になります。
認定理学療法士としての資格を得るには、まず対象領域での実務経験を積み、その後、認定試験に合格する必要があります。
試験の前には追加の研修や学習が求められることもあります。
資格取得後は定期的な研修や業績報告を通じて、資格を維持することが求められます。
この資格を持つことで質の良いリハビリサービスを提供し、専門的なアドバイザーとしての役割を果たせるでしょう。
- 専門理学療法士
専門理学療法士は、認定理学療法士よりもさらに高度な専門性を持ち、リーダーシップや教育的な役割も担う理学療法士です。
この資格は日本理学療法士協会などの専門機関によって認定されており、専門分野におけるリーダーシップ・教育・研究活動を通じて理学療法士の領域を広げることを目的としています。
専門理学療法士は患者さんのケアに加えて、施設運営やリサーチでも中心的な役割を果たします。
資格の取得には、指定カリキュラムの受講や学会参加、論文発表などの活動を通じて自己研鑽に努め、認定試験に合格する必要があります。
また、合格後も継続的なスキルアップが義務付けられています。
おわりに
本記事では理学療法士を目指したきっかけと、数ある医療系資格の中で理学療法士を選んだ理由についてご紹介しました。
理学療法士を目指す理由はどのようなものであっても、理学療法士としての使命感ややりがいを強く感じさせ、理学療法士としてのキャリアを支える強い基盤となるのです。