リハビリ分野

理学療法士と介護福祉士の違いとは?特徴や資格取得の道のりも紹介

理学療法士と介護福祉士
理学療法士と介護福祉士、どちらも同じフィールドで活躍するこの2つの職業の違いについて明確には分かっていないという学生さんも多いかと思います。
どちらも患者さんに寄り添いサポートする職業ですが、その違いは一体どのようなものなのでしょうか?
本記事では理学療法士と介護福祉士の違いについて、特徴や資格取得の道のりについてもあわせてご紹介していきます。

理学療法士と介護福祉士の仕事内容の特徴・違いと共通点

理学療法士と介護福祉士の仕事内容

理学療法士と介護福祉士の仕事内容について、それぞれご紹介します。

理学療法士

身体が不自由な患者さんに「起き上がる・立つ・歩く・座る」などの基本的な動作の回復・維持をサポートするのが理学療法士です。
基本的な動作のサポートのほか、筋肉や関節部分を動かす「運動療法」やマッサージ・電気刺激を用いた「物理療法」によって治療を進めることもあります。
理学療法士の勤務場所としては、医療機関・福祉施設・介護施設・リハビリステーション施設など、主に「リハビリ」にまつわる現場が多く挙げられます。

介護福祉士

介護を必要としている患者さんの生活全般をさまざまな面からサポートするのが、介護福祉士です。
直接的な介護業務をはじめ、仕事のマネジメント業務まで「介護」に関しての業務を幅広く担当しています。
介護福祉士の主な仕事内容は、大きく5つに分けることができます。

  • 身体介護(身体に直接触れて介護する)
  • 生活支援(掃除・洗濯・買い物など家事のサポート)
  • 相談支援(介護に関する指導やアドバイスを行う)
  • 社会活動支援(社会とつながり、社会の一員として生活できるよう行うサポート)
  • チームマネジメント(介護スタッフの指導・育成などのマネジメント業務)

その他職種(作業療法士・言語聴覚士)

その他の似ている職種として、作業療法士・言語聴覚士という職業があります。
大きな動作の回復をサポートするのが理学療法士であるのに対し、食事する・歯みがきする・はさみで切るなど「手で行う動作」の回復をサポートするのが作業療法士です。
理学療法士のサポートを受けて基本的な動作が回復した患者さんが、次の目標として実生活に即した細かな動作の回復練習を行う際に作業療法士がサポートします。
言語聴覚士は、聴覚障害・失語症などの「話す・聞く」の動作に障がいを持つ方に対して治療やリハビリ指導を行います。
さまざまな医療関係者と連携を取りながら患者さんの症状改善を目指して、治療・リハビリを行います。

理学療法士と介護福祉士の違い

理学療法士は、患者さんの基本動作能力の回復を目的として治療やリハビリを実施し、日常生活を自立して送れるようにサポートを行います。
一方、介護福祉士は身体の不自由な患者さんの生活全般のサポートを行います。

移動や食事に関するサポートのほか、買い物のお手伝いを行うこともあります。
患者さんの身体機能回復を目的としているのが理学療法士であるのに対し、それでも一人ではできないことがある場合に全面的なサポートを行うのが介護福祉士なのです。

理学療法士と介護福祉士の共通点

理学療法士と介護福祉士は仕事内容も似通っており、比較的近い位置づけをされているため、共通点が多いのも事実です。
そのため、理学療法士・介護福祉士の両方を目指している方も少なくありません。
理学療法士と介護福祉士の共通点としては、どちらも「患者さんファースト」で考え、患者さんが日常生活をより快適に送ることができるようになるためのサポートを行うことです。
患者さんが「現状できていること」に着目して、サポートを行います。

理学療法士と介護福祉士の活躍のフィールド

理学療法士と介護福祉士のフィールド

理学療法士の活躍フィールド

理学療法士が活躍できる勤務先としては、下記のような場所が挙げられます。

医療機関

理学療法士の多くが勤務しているのが、総合病院や大学病院などの医療機関です。
理学療法士の一般的な施術は、運動療法や物理療法、痛み緩和のマッサージなどが代表的です。

リハビリテーション施設

患者さんの在宅復帰・社会復帰を目的としてリハビリが実施されます。
医療関係者と密に連携を取りながら、患者さんに必要なリハビリの指導・サポートを行います。

福祉施設

福祉施設には、身体障がい・知的障がい・発達障がいなどさまざまな患者さんがいます。
しかし、急に動作が衰えるということはあまりないため、主に動作の現状維持を目指してリハビリなどのサポートを行います。

保健所・行政機関

保健所・行政機関の介護福祉課・福祉政策課・自立支援課などで勤務するという選択肢もあります。
リハビリ教室を主催したり、その講師を務めたりすることもあるでしょう。

スポーツ事業

フィットネスジムやプロのスポーツチームで活躍する理学療法士も多いもの。
リハビリやトレーニング指導を行います。

介護福祉士の活躍フィールド

介護福祉士が活躍できる勤務先としては、下記のような場所が挙げられます。

医療機関

理学療法士同様、介護福祉士も病院などの医療機関で活躍しています。
患者さんの歩行・食事・入浴など、さまざまな介助を行います。
リハビリスタッフと連携を取りつつ、全面的なサポートを行います。

老人ホーム

介護福祉士の多くが活躍している場所とされているのが、特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどです。
高齢者の生活全般のサポートを行います。

福祉施設

日常に支障をきたしている方を支援する場所である福祉施設・
障がいを持っている方や障害児の動作サポートやケアも行います。

保健所・行政機関

保健所や行政機関では、介護の方法や介護に関する相談を受けることもあるでしょう。
支援の受け方や介護に悩みを抱える方の相談を受け、解決策を考えていきます。

理学療法士と介護福祉士の資格取得までの道のり

理学療法士と介護福祉士の資格取得までの道のりは少し異なります。

理学療法士の資格取得方法

理学療法士になるには国家資格に合格しなければなりませんが、国家試験は誰でも受験できるというものではありません。
養成学校に通い、必要な知識・技術を身に付けることで受験資格を得ることができます。
養成学校の種類としては、3・4年制の専門学校、4年制大学、3年制短期大学、特別支援学校の4つです。

介護福祉士の資格取得方法

介護福祉士の資格取得のルートは、2016年を境に大きく変更されました。
それまでは国家試験を受験せずとも、養成学校に通うだけで介護福祉士の資格を取得することができましたが、2016年からはどのようなルートであっても国家試験を受験しなければ介護福祉士の資格が取得できない流れとなりました。
介護福祉士を目指すルートとしては、「養成学校に通う」「福祉系高校に通う」「実務経験を積む」の3つです。

この経験は仙台医健だけ!(学科紹介:理学療法科)

仙台医健の理学療法科は、4年制カリキュラムで組まれています。
そのため一般的な専門学校における「詰め込み型の学習」ではなく、1つの物事に関していろんな角度から深く学ぶことができる点が魅力です。
視野を広く持ちあわせ、応用力を持った理学療法士を目指すことができるでしょう。
また、1年次よりクラス担任と将来を見据えての個別面談を重ねるため、不安や疑問点についてなど相談が気兼ねなく行えます。
面談を通じて自身が目指す「理想の理学療法士」になれる実習先を紹介してもらうこともできます。
スポーツ実習や病院、福祉施設などで必要とされているスキルを習得し、卒業後の可能性を広げます。プロスポーツトレーナーゼミでは、アスリートのトレーニングやケアを学ぶことができます。トップレベルのアスリートから学生・アマチュア・ジュニアアスリートまで、理学療法士が活躍するフィールドはスポーツ業界にも広まっています。

理学療法士の仕事|やりがいと魅力

理学療法士の仕事のやりがいと魅力

理学療法士の仕事を通じて得られる「やりがい」や「魅力」とはどのようなものなのでしょうか?

患者さんが回復していく様子を側で見守る

理学療法士は医師・看護師と連携し、患者さん一人ひとりに適したリハビリプランを作成します。
自身が作成したリハビリプログラムを患者さんが行い、その効果を発揮して患者さんが回復していく様子を側で見守れる点は大きな魅力のひとつだと言えます。
患者さんの「以前のようにスムーズに動けるようになりたい」「動けるようになったらこんなことがしたい」「回復して学校・仕事に行きたい」などの目標を達成できるよう、側で見守りながらサポートし、その目標を達成できた時の喜びを患者さんと分かち合えるのは、理学療法士ならではの魅力なのではないでしょうか?

患者さんからの感謝の言葉をもらう・笑顔を見られる

患者さんの笑顔が増えたり、患者さんから感謝の言葉を貰ったりと、嬉しい場面にも多く出会います。
最初の頃は不安やストレスなどから顔の表情が暗くなりがちだった患者さんが、身体が回復していくにつれて少しずつ笑顔や自信を取り戻していくことも多いもの。
その際、「ありがとう、あなたにリハビリを担当してもらえて良かった」といったような嬉しい言葉を貰う場面もあるかもしれません。
このような患者さんの変化に立ち会うと、理学療法士としてよりレベルアップしたいというモチベーションにつながるでしょう。

工夫しながらリハビリを行う

同じ病気や手術を受けた患者さんでも、症状が異なる場合があります。
そのような場合、ワンパターンのリハビリプログラムではなく、それぞれの患者さんに向けて適したプログラムを作成しなければなりません。
患者さんの普段の動作の様子や会話からの症状経過などを踏まえた上でプログラムをs調整することもあり、その工夫こそが理学療法士としての「やりがい」につながるとも言えます。

現場を通じて成長していると実感できる

学校卒業後に理学療法士として働き始めると、初めは慣れないことの連続で大変な思いをする場面も多いかと思います。
しかし毎日働きながら多くのことを経験・吸収していくことで、理学療法士として大きく成長していくことができます。
経験を重ねると、理学療法士として働き始めた頃よりも効率的に仕事を進められたり、患者さんへの対応をスマートに行うことができたりと、行動に自信が持てるようになってきます。
成長を実感する瞬間に出会った時、理学療法士としての「やりがい」と「楽しさ」を見出すことができるでしょう。

おわりに

本記事では理学療法士と介護福祉士の違いについて、特徴や資格取得の道のりについてもあわせてご紹介しました。
患者さんの身体機能回復を目的としているのが理学療法士、一人ではできないことがある場合に全面的なサポートを行うのが介護福祉士です。
理学療法士の資格を取得するには、養成学校に通い、必要な知識・技術を身に付けた上で受験資格を得て、国家試験を受験する必要があります。
仙台医健では4年制のカリキュラムを通じて、ひとつの物事に対し多方面からの深い考察を学び、卒業後に必要な知識・技術を身に付けることができます。
理学療法士を目指されている方は、是非仙台医健での学びを検討されてみてください。
理学療法士は、身体の回復により患者さんの笑顔に多く出会える仕事として「やりがい」を持って働くことができる仕事だと言えるでしょう。

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