「食育アドバイザーって何?」
「食育アドバイザーがどんな仕事をするのか知りたい」
と疑問に思っている人もいるでしょう。
そこでこの記事では、食育アドバイザーの概要や仕事内容を紹介します。また、合格率や勉強方法もあわせて解説していきます。
一読すれば、食育アドバイザーについての知識を得られるでしょう。ぜひ最後まで読んでみてください。
記事の概要
食育アドバイザーとは?
食育アドバイザーとは、一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)が運営する食事に関する民間資格です。食育に関する基礎知識を有し、食育活動ができることを証明します。
食育アドバイザーの主な仕事内容は、食育の指導をすることです。食育とは、食の知識と食を選ぶ力によって、健全な食生活をおくる人を育てることです。
2005年に食育について定めた食育基本法が制定されたことからもわかるように、国は食育を推進しています。
なお、食育アドバイザーには、上級食育アドバイザーという上位資格もあります。食育に関する専門知識や栄養学を学ぶことが可能です。
参考:食育の推進:農林水産省
参考:上級食育アドバイザー資格 日本能力開発推進協会 (JADP)
食育アドバイザーと食育インストラクターの違い
食育アドバイザーと名称が似ている資格に食育インストラクターがあります。
「2つの資格はどう違うの?」と思っている人もいるでしょう。
そこで、食育アドバイザーと食育インストラクターの違いを表にまとめました。
食育アドバイザーと食育インストラクターの違い | ||
---|---|---|
食育アドバイザー | 食育インストラクター | |
運営団体 | 一般社団法人日本能力開発推進協会 | NPO日本食育インストラクター協会 |
ランク | なし ※上位資格の上級食育アドバイザーがある | プライマリーから4~1級の5段階 |
受験資格 | 指定の認定講座(通信制)を受ける | プライマリーは誰でも受験可能。以降の級は通信講座を受けたり、栄養士の取得者など受験資格が必要 |
学習内容 | 家庭や仕事に役立つような食育の正しい基礎知識が学べる | 家族の健康につながる食料の幅広い知識、マナー、調理技術について学べる |
取得方法 |
・認定講座の受講 |
・授業の受講 |
食育アドバイザーと食育インストラクターの主な違いは、学習内容や試験方法です。
食育アドバイザーは食育インストラクターよりも学習する範囲が狭く、在宅受験ができるため、手軽に取得できるのが特徴です。
たとえば、食育インストラクターにはマナーや調理技術が求められますが、食育アドバイザーは求められません。※食育インストラクターは、プライマリー以外は在宅受験ができないので、食育アドバイザーに比べて取得へのハードルが高いと感じるかもしれません。
食育アドバイザーを取得するメリット
食育アドバイザーを取得するメリットは、主に次のとおりです。
- 食育に関する正しい知識を身につけられる
- 食育に関する仕事ができる
- 安全な食品の見分け方がわかる
順番に解説していきます。
食育に関する正しい知識を身につけられる
資格の勉強を通じて、食育に関する正しい知識を習得できます。
生きていくために欠かせない食事について学ぶことで、健康的な生活をおくれるようになるでしょう。
食育の正しい知識が身につくと、「最近食事が偏っているから、野菜も食べよう」などと自然に健康を意識した食事ができるようになります。
食育に関する正しい知識があれば、病気を予防したり、体によい食材を選んだりもできます。
食育に関する仕事ができる
資格を取得すると、食育に関する仕事ができるようになります。
次の章でもお伝えしますが、食育に関する料理教室やセミナーを開催できます。「食育に関する仕事がしたい」と思っている人にはピッタリです。
「食育を通じて誰かの人生の役に立てた」という経験ができるのは大きな魅力です。
安全な食品の見分け方がわかる
知識がないと、どの食品が安全か見分けることが難しいでしょう。
しかし、食育アドバイザーを取得することで安全な食品の見分け方がわかるようになります。食品添加物や遺伝子組み換え食品に関する知識を身につけられるからです。
たとえば、食品表示を見て「ポテトチップスには、発がん物質アクリルアミドという物質が入っているので、別の食品を選ぼう」と選択しやすくなります。また、肉や魚や野菜の目利き方法も学習可能です。
食育アドバイザーは何ができる?
食育アドバイザーができることは、以下のとおりです。
- 家庭での活用
- 料理教室の開催
- セミナーの開催
- 食品業界や教育現場・医療現場での活用
ぜひ参考にしてください。
家庭での活用
家庭でも栄養や安全の観点で料理ができるようになります。
「ビタミンを摂れるようにデザートに果物も出すようにしよう」「残存農薬を減らすために野菜は洗うだけじゃなくて、茹でよう」と家庭での料理に活かすことが可能です。
大切な家族の健康を考えた調理に役立てられるでしょう。
料理教室の開催
知識を活かして、料理教室の開催も可能です。
料理教室を開催することで、実際に調理をしながら参加者に楽しく食育を学んでもらえるうえ、自分の調理技術の向上も期待できるでしょう。
開業して料理教室を始める人もいます。
セミナーの開催
食育に関するセミナーの開催も可能です。セミナーの開催により、一度に複数の参加者に食育の知識を伝えられます。
食育は多くの人が関心があるテーマなので、集客しやすいでしょう。
また、セミナーの仕方も認定講座で学習できるので、セミナー経験のない人でも資格取得に向けて学習していくなかで知識を習得できます。
食品業界や教育現場・医療現場での活用
食品業界や教育現場・医療現場で食品や料理を提供している人は、普段の仕事に活用できます。
たとえば、食品業界では新商品を作る際に、安全に配慮することができます。
教育現場なら、「野菜を食べると体の調子がよくなりやすいよ」と指導が可能です。
医療現場であれば「にんじんが苦手でもかぼちゃやほうれん草で代用ができますよ」とアドバイスができます。
食育アドバイザーが向いている人
食育アドバイザーが向いている人は、次のような人です。
- 食育に興味がある人
- 食育の資格を手軽に取得したい人
- 食事に関係する仕事をしている人
それぞれ解説していきます。
食育に興味がある人
食育に関する正しい知識を伝えられるため、食育に興味がある人にはピッタリです。
食育の知識があれば、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、妊婦・授乳期、中年期、高齢期など、大切な人のライフステージに合わせた食事のアドバイスが可能になります。
たとえば、以下のような形です。
- 学童期:かむ力をつけるために食物繊維を摂る
- 成人期:脂質を減らしてビタミンを多く摂る
- 妊婦・授乳期:鉄やカルシウムを摂る
- 高齢期:たんぱく質を摂る
「食育で人の健康をサポートしたい」と思っている人には相性がいいです。
食育の資格を手軽に取得したい人
食育アドバイザーは、認定講座の受講以外は受験資格がありません。
通学の必要もなく、講座の内容を理解すれば合格できるため、「食育の資格を手軽に取得したい」と考えている人にはおすすめです。
「より専門的な内容を取得したい」という人は、上級資格の上級食育アドバイザーもあります。
食事に関係する仕事をしている人
食品業界、教育現場、医療現場など食事に関係する仕事をしている人にも向いています。
先ほどもお伝えしたように、食品業界で働いている人なら、安全な商品の開発に役立つでしょう。たとえば、「この商品は添加物をできるだけ使わずに作ろう」と決めることができます。
教育現場、医療現場で働く人なら食育の知識を生徒や患者に伝えるなど、普段の仕事に活かすこともできるでしょう。
食育アドバイザーのなりかた
食育アドバイザーになるにはどうしたらいいでしょうか?
食育アドバイザーになるには、認定教育機関である一般社団法人日本能力開発推進協会の認定講座を受けて試験に合格することです。
また、上級資格の上級食育アドバイザーも同じように認定講座を受けて、試験に合格することで資格を取得できます。
詳しい試験概要については、次の章で解説していきます。
食育アドバイザーの試験概要
食育アドバイザーの試験概要をお伝えします。
- 食育アドバイザーの資格取得費用
- 食育アドバイザーの試験の日程
- 食育アドバイザーの難易度・合格率
それぞれ解説していきます。
食育アドバイザーの資格取得費用
食育アドバイザーの資格取得にかかる費用は、次のとおりです。
- 講座費用38,600円
- 試験料5,600円
講座費用と試験料の合計44,200円で取得ができます。
食育アドバイザーの試験の日程
食育アドバイザーの試験の日程はいつなのでしょうか?
食育アドバイザーは課題が終わればいつでも自宅で受験可能です。自分の好きなタイミングで受験ができます。
試験会場まで行く必要がなく、自宅でリラックスしながら受験ができる点もメリットです。
食育アドバイザーの難易度・合格率
食育アドバイザーは試験の70%以上の正答率で合格です。
合格率は発表されていません。しかし、自宅でテキストを見ながらの受験が認められているので、難易度は高くなく合格しやすいでしょう。
不合格になった場合も、何回でも再受験が可能です。
食育アドバイザーの勉強方法
食育アドバイザーの勉強方法は、認定講座をしっかりと学習することが効果的です。
実際の試験も認定講座のなかから出題されるので、認定講座を繰り返し復習しましょう。講座の開始から700日間はメールで運営団体に質問することも可能なので、学習を進めるなかでわからないことがあれば質問してみましょう。
認定講座は3ヵ月の学習期間で知識を身につけられるように作られています。
上級資格の上級食育アドバイザーも認定講座を中心に学習すると合格しやすいです。
まとめ:食の正しい知識を伝えていきましょう
偏った食事は、生活習慣病や肥満の原因になりかねません。
「食事で人の役に立ちたい」と思っている人は、食育アドバイザーになって食の正しい知識を伝えていきましょう。
なお、食の正しい知識を伝えるには、専門学校で学ぶこともおすすめです。
数ある専門学校のなかでも、仙台医健・スポーツ専門学校の「農業テクノロジー科※」では、農のスペシャリストとして食材の生産から加工までできる知識や技術を身につけられます。
また、「調理師科※」では、2年間で和洋中などの調理技術・知識を学び、調理師免許を取得できます。
どちらも現役のトッププロから学ぶことが可能です。
「学校について興味がある」という人は、無料の学校パンフレットを請求してください。
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