ふんわり焼き立てパンに包まれて働くパン職人。日本では、パン文化も根付いており、「朝はパン派」という人も多いのではないでしょうか。
この記事では、パン職人の仕事内容や資格の有無、パン職人になる方法などについてまとめました。
将来パン職人になりたいという人は、ぜひ参考にしてください。
記事の概要
パン職人とは?仕事内容を解説
パン職人の仕事は、ひと言でいうとおいしいパンを作り販売することです。
多くの店舗では朝早くからパンを作り始めます。
パン作りの他に、調理器具や店内の清掃や材料の発注・管理、メニュー開発もパン職人の重要な仕事です。
小さな店舗では、出来上がったパンを店頭に並べ、販売、ドリンクなどの提供まで行うこともあります。
夕方ごろから厨房の片付けを始め、明日のパンの仕込みをして仕事を終えます。
パン職人の世界での呼び方は?
パン職人は、世界で「ブーランジェ」や「ブランジェ」などと呼ばれます。フランス語の場合は性別に合わせて呼び方が異なるので、男性は「ブーランジェ」女性は「ブーランジェール」というような呼び方をします。
日本では男女問わず「ブーランジェ」と呼ばれています。
ほかにも英語圏内であれば、パン屋のことを「ベーカリー」、パン職人のことを「ベーカー」と呼びます。
パン職人に必要な資格は?
この章では、パン職人が取っておきたい2つの資格を紹介します。
パン職人に必要な資格は特にはありません。しかし、パン職人としてキャリアアップを目指すのであれば、資格を取得しておいた方がよいでしょう。
- パン製造技能士
- 製菓衛生師
資格を取得することで自分の知識やスキルを証明できるので、就職や転職が有利になり、活躍の場が広がります。
パン製造技能士
パン製造技能士は、パン作りの技術や知識を証明するための試験です。厚生労働省が認定する国家試験で、都道府県ごとに1年に1回実施されます。受験者数も年々増えている資格で、2020年の合格率は60%です。
パン製造技能士はレベル順に2級・1級・特級と分かれています。実技試験と学科試験の両方があり、2級は2年以上、1級は7年以上実務経験が必要です。※2級の場合、専門学校を卒業していれば、2年以上の実務経験は不要です。
実技試験と学科試験の両方があるため、難易度はやや高いです。
パン製造技能士の資格を持っているとパン作りのスキルを証明するだけではなく、職業訓練指導員として働くことも可能となります。「パン作りの技術を人に教えたい」という人はぜひ取得しておきましょう。
参考:厚生労働省「令和2年度「技能検定」実施状況P.5」
参考: 中央職業能力開発協会(JAVADA)「技能検定のご案内」
製菓衛生師
製菓衛生師とは、食品を正しく衛生管理できることを証明する資格で、試験は全て選択方式の筆記のみで実施されます。製菓実技は、和菓子・洋菓子・製パンからジャンルを選べます。60%以上の正解で合格です。
受験資格は、厚生労働大臣が指定する製菓衛生師養成施設(専門学校など)で1年以上勉強していた人、もしくは中卒以上の学歴で、菓子製造業の許可を受けた施設で2年以上の実務経験を積んだ人です。
製菓衛生師の合格率は都道府県ごとに異なります。令和3年度、東京都は合格率60.2%と低めですが、90%を超えた県もあり、比較的合格しやすい資格です。
飲食店は開業時に「食品衛生責任者」の資格が必要ですが、製菓衛生師の資格さえ持っていればすぐに取得できます。将来独立することを考えているのであれば、持っておきたい資格です。
参考:東京都福祉保健局「東京都製菓衛生師試験合格発表」
参考:長野県「令和3年度製菓衛生師試験の合格者の発表」
参考:厚生労働省「製菓衛生師」
パン職人に必要なスキル
パン職人には、必須の資格はありませんが、必要なスキルはあります。
パン職人に必要なスキルとは、下記のようなものです。
- パンの専門知識
- パン作りの腕
- コミュニケーション能力
- 体力
- 語学力
パン職人にとって、これらのスキルが必要な理由を説明します。
パンの専門知識
パン職人として現場で働くからには、パンの専門知識は不可欠です。
原材料の産地・配合・温度や湿度・発酵時間など、少しの変化でパンの出来上がりが大きく異なります。
ひと言でパンと言っても、パンの種類や食感などには流行りがあります。「もちもち食感のパンを作りたいから、小麦の種類と分量を変えてみよう」「ハードパンがよく売れるから、種類を増やしてみよう」など、パン職人として長く活躍するには時代に合わせられる知識が必要不可欠です。
向上心を持って、いつでもパンの専門知識を更新できるようにしておく必要があります。
パン作りの腕
専門知識に加えて、その知識を再現するためにはパン作りの腕が必要です。
とにかくたくさん作って食べてもらって、改善して、また作って経験を積むことでパン作りの腕前は上がります。
パン作りの腕がある職人は、国内外からのスカウトや年収アップも期待できます。
当たり前のようですが、パン職人として長く活躍するためには、腕のいいパン職人になる必要があるのです。
コミュニケーション能力
多くのパン屋では、何人もの職人が一緒に働いています。
お店全体でどのようなパンを出すのか、どの順番で作るのか、誰がどの作業を担当するのかなどを考えながら仕事をする必要があります。
そのため、お店全体のことを考え、自分は今なにをすべきか、他の職人とコミュニケーションを取りながら働かなくてはいけません。
小さな店舗だとパン職人が、お客様対応をすることも多い仕事なので、お客さんとのコミュニケーション能力が高いとプラス評価になります。
体力
パン職人は朝早くから仕事を始めます。長時間立ちっぱなしになるうえに大量のパンをオーブンから出し入れすることも頻繁にあり、全身を使うので体力が必要です。
女性のパン職人も多いですが、男性同様の仕事をこなす体力が必要です。
語学力
パン職人に語学力は必須ではないものの、あったほうが活躍の場が広がります。
プレッツェルやライ麦パンの本場フランス、デンマークのデニッシュパン、サンドイッチやアフタヌーンティーが有名なイギリスなど、世界にはいろいろなパンがあります。
パン職人の中には、スキルアップのために本場のパンを勉強したいと思う人もいるでしょう。その際、語学力があれば相手の言っていることを理解でき、自分の聞きたいことを質問できます。
しかし、パン職人として働き始める前に、「海外実学研修・留学」のある専門学校へ入学し、知見を広めるのも1つです。
パン職人のなりかた
将来、パン職人になりたいと思ったらどのような進路を選べばいいのでしょうか。
これから進路を考えるのであれば、主に以下の3つの道があります。
- 専門学校
- 独学
- 大学(短大)
ここでは、その3つの進路の特徴やメリットなどを紹介します。
専門学校
専門学校は、実習が中心でカリキュラムが作られているため、就職後に即戦力として活躍できる技術を身につけられます。
高校卒業後すぐに就職するよりも、専門学校卒業後の方がスキルも高くなるため、将来の選択肢が広がります。
ほかにも、就職の支援や海外研修など手厚いサポートを受けることが可能です。学校によっては、プロ仕様の充実した設備で実習でき、パン職人としての働き方をリアルに体験できます。さらに、現役のプロからの指導を受ける授業も良い経験になるでしょう。
パン業界との繋がりがあるので、就職前に、職場体験もできます。将来スキルの高いパン職人になりたいと思うのであれば、専門学校が効率的です。
数ある専門学校の中でもおすすめは、仙台医健・スポーツ専門学校です。商品開発からECサイトの運営まで学べるので、パン業界の即戦力を目指せます。
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独学
パン屋に就職すること自体は難しいわけではありません。
しかし、パン屋で就職した場合、すぐにパン作りをさせてもらえない可能性もあります。
勤務後や休日にパン作りの技術を磨いたり、資格の勉強をしたりします。
下積み期間が長くなり、さらに給与・待遇面で専門学校卒や経験者と差がつく場合があります。
大学
大学に通ってパン職人を目指すことも可能です。
しかし、大学では、パンについてだけ学ぶということはほとんどありません。「食文化栄養学科」「実践栄養学科」「管理栄養学科」など、専攻している学科があって、そのなかのカリキュラムの1部、もしくは選択科目の1つです。
パン作りの実習も専門学校に比べると少なく、座学が中心です。調理実習の頻度は高くないので、大学に通いながらパン教室に通う人もいます。
実習よりも学科に力を入れたい、資格をたくさん取りたい、という人におすすめです。
パン職人に向いている人の特徴
パン職人を目指したいけど、自分に向いているのか心配という人もいるでしょう。
パン職人は特別な資格が必要でないからこそ、向いている人・向いていない人でスタートに差が出てしまいます。
向いている人の特徴は、以下の通りです。
- パンが好きな人
- 勉強熱心な人
- 体力がある人
1つずつ順番に解説していきます。
パンが好きな人
パン職人に向いている人の特徴は、やはりパンが好きなことです。
プロの職人でも、他店のパンを食べ比べ、勉強しています。新しい商品を開発する時には、1日にたくさんのパンを試食することもあります。
そんな時、パンが好きだと、食べ比べや商品開発も負担に感じず、より高い感度で仕事ができます。
勉強熱心な人
パン職人に向いているのは、勉強熱心な人です。
パンは毎日同じものを同じように作るだけではありません。パンにも流行りがあるため、勉強を継続的に行い、時代に合ったパンを開発することも必要です。
さらに、独立開業を視野に入れているのであれば、パン以外の勉強もしておかなくてはいけません。経営や仕入れ、在庫管理に関することも知っておく必要があります。
体力がある人
パン職人に必要なスキルでも説明しましたが、パン職人は体力勝負の仕事です。
体力に自信がなければ、1日働くだけで精一杯になるでしょう。最初のうちは、長時間作業をしながら勉強もしなくてはいけないので、体力があると有利です。
パン職人の主な求人・就職先
パン職人を目指した場合、求人や就職先には下記のようなところがあります。
- 飲食店(個人経営のパン屋)
- ホテル
- ベーカリーチェーン
- 食品メーカー(製パン)
- 製パン工場
- パン教室講師
パン職人とひと言でいっても、就職先は意外と幅広く、勤務時間や仕事の内容も就職先によって異なります。
特に、自家製パン屋と製パン工場では仕事の内容は大きく異なります。自家製パン屋は業務の種類が多くなりやすいのに対して、製パン工場は特定の業務を繰り返し行うことが多いです。自分の性格にあった方を選択しましょう。
パン職人の平均年収はいくら
パン職人の仕事の平均年収は、正社員で約349万円です。
引用:求人ボックス「パン職人の仕事の年収・時給・給料」
先ほどもお伝えした通り、パン職人の就職先は幅広いです。そのため、就職先によって、年収は変化します。
パン職人は独立開業を目指せる仕事です。有名なパン職人になる、もしくはお店の経営状況によっては、年収アップも十分見込めます。
パンは日本の食生活に根付いているので、固定のファンをつかみやすく、独立開業後も比較的安定した収入を目指せるでしょう。
また、パン職人は独立開業を目指せます。
パンの種類にもよりますが、パンは原価率が比較的低く、正しく経営すれば儲かる可能性が充分にあります。パンを主食にしている人も多いので、街のパン屋さんには比較的固定客がつきやすいでしょう。
個人経営のパン屋に勤め、働きながら経営のノウハウを学ぶのも1つです。独立開業することで、自分の希望通りのお店やパンを作れます。
パン職人のやりがい
食事にもおやつにも欠かせないパン。朝早くから出来立てのパンの匂いに包まれて仕事をしているパン職人のやりがいとは、一体どのようなものなのでしょうか。
仕事のやりがいを感じる瞬間には、以下のようなものがあります。
- 自分が作ったパンで満足して頂いた瞬間
- パン作りの腕が上がった瞬間
- 新しい商品を作れた瞬間
それぞれ解説していきます。
自分が作ったパンで満足して頂いた瞬間
パン屋は、職人が商品の販売までを行う場合があります。自分が焼いたパンをトレイに入れて喜んで買って帰ってくれるのを直接見られることは、とても充実した瞬間です。
お店に常連客がつきやすいので、自分が作ったパンの感想を直接聞けることもあるでしょう。
自分が作ったパンで満足して頂いた瞬間はかけがえのないものです。
パン作りの腕が上がった瞬間
パン職人は毎日パンを焼き続けるので、パン作りの腕が上がったことを実感すると「やっていてよかった」とやりがいを感じます。
特に、最初のうちは思ったようなパンが焼けず悔しい思いをすることもあるでしょう。できないことができるように変わった瞬間や、いつもよりもおいしいパンが焼けた時にはとても嬉しい気持ちになります。
新しい商品を作れた瞬間
パン屋は定期的に、季節の新商品や商品メニューの入れ替えがあります。そのため他店のパンをリサーチしたり、流行りを調べたりすることもあるでしょう。
自分が納得できるおいしい新商品を作るために、何度も何度もパンを作り改善することもあります。
「これだ!」と納得できる新しい商品を作れた瞬間、パン職人という仕事にやりがいを感じる職人は多いです。
パン職人になるには専門学校がおすすめ
パン職人になりたいと思った人には、専門学校という進路をおすすめします。
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まとめ:パン職人になってパンで笑顔を届けましょう
この記事では、パン職人について解説しました。
要点は以下の通りです。
- パン職人に必須のスキルはないが資格を取るとプラス評価
- パン職人になるには「専門学校」「独学」「大学(短大)」の道がある
- 独立開業で年収アップを目指せる
独学でもパン職人は目指せますが、「下積み期間が長くなる」「給与・待遇面で経験者(専門学校卒)と差がつく」などの恐れがあります。
大学や短大では「パン作りの実習時間が少ない」「パンに特化していない」などのデメリットがあります。
そこでパン職人を目指すためには、専門学校がおすすめです。
特に「パン職人は自分に向いているのだろうか」「就職までに実践に対応できるスキルを身につけたい」などの場合、独学でいきなりパン職人を目指すのではなく専門学校を検討する方がいいでしょう。
専門学校は、就職サポートも充実しているので、理想に近い働き方でパン職人を目指せます。
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