こんにちは、理学療法科教員の古川です。
私は2019年まで青年海外協力隊に参加しキルギスという国で理学療法士をしていました。
若い理学療法士や理学療法を学ぶ学生の皆さん、将来の進路に悩む高校生の皆さんに、日本の理学療法士が発展途上国で現地の人々のために働く機会があることを知って欲しく、学校のブログを利用し、私の経験を発信させていただいています。
⇒【理学療法士の国際協力①】
https://www.sendai-iken.ac.jp/contents/blogs/2020/06/15/13787
⇒【古川の自己紹介】
https://www.sendai-iken.ac.jp/contents/blogs/2020/06/08/13793
私が派遣されたのは、キルギス国の国立リハビリテーションセンターです(子どもから大人まで幅広い患者に対応する国内でも有数の規模の大きい病院です)。
病院は広い敷地の中に5~7階建ての建物が3つ、2階建ての建物が1つ、プールと大講堂がある巨大な施設です。
13の診療科が存在しリハビリテーション科はその中の1つでした。
13の診療科には例えば整形外科や循環器科、呼吸器科、
消化器科などがあります。針治療科もあります。
※病院の地図。僕は普段は”БЛОК В (ブロックB)”で働いていました。ロシア語がよく使われています。
リハビリテーション科は、理学療法医師を中心に運動のインストラクターやマッサージの担当者など20名ほどのスタッフで構成されます。
日本の理学療法士のように、学校で教育をうけて国家試験に合格した専門職が存在しているわけではありません。
これらリハビリ科のスタッフと共に患者さんへのリハビリをおこない、治療内容について話し合い、必要に応じて日本で勉強をするリハビリの考え方や方法を伝えたりしていました。
※現地の理学療法医師。僕のボランティア活動のパートナーでした。
※患者さんに治療体操を指導するインストラクター
怪我や病気ですが、小児麻痺、脳卒中、関節リウマチ、難病など様々ですが、現地では特に脊髄損傷が多かったです。
※脊髄損傷では背骨の中にある「脊髄」という中枢神経が傷つき、傷ついた「脊髄」の部分より下の手足に麻痺がみられます。例えば首の骨の部分で脊髄が損傷すると手足が、腰の骨の部分で脊髄が損傷すると足に麻痺がみられます。
キルギスは交通事故による死亡事故発生率が日本より高く、それに比例して重傷な患者さんも多い印象でした。
また、現地のスタッフからは「脊髄損傷の患者さんは立つことや歩くことが難しく、どのようにリハビリをしたら良いのか教えて欲しい」と依頼を受けることが多かったです。
脊髄損傷の患者さんの麻痺がどの程度重度なのか、検査をして確認します。
また、麻痺の重症度に合わせたリハビリプログラムを考えます。
これらは、日本の学校で習う内容も多く含まれます。
その知識や経験が、現地の患者さんやリハビリを行う医療従事者の役に立ちます。
※脊髄損傷のリハビリをどのように行ったら良いのか資料を作って配布したりしていました。これもロシア語です。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
今後も時折、キルギスで経験したことを共有していきたいと思います!
※病院の廊下
※治療用の大きなプールがあります。
※病院前の道。冬は-30℃になることも…(笑)
*このブログは過去の内容を再編してアップしたものです。